「ジョグ125、良さそうだけど後悔しないかな？」と検索して、この記事にたどり着いたんですね。
わかります。ヤマハの原付二種スクーターとして、その95kgという圧倒的な軽さと735mmという驚異的な足つきの良さは、ものすごく魅力的ですよね。私もバイク歴25年になりますが、このスペックは本当にすごいと思います。
ただ、その一方で、「本当に買って後悔しないか？」と不安になるポイントがいくつかあるのも事実です。例えば、今どき珍しい前後ドラムのブレーキ性能や、メットインの容量（積載性）は実際どうなのか、すごく気になりますよね。
他にも、10インチタイヤ採用で乗り心地が悪いんじゃないかとか、ヘッドライトが暗いという噂、タンク容量が4.0Lと少ない点や実際の航続距離は大丈夫か、坂道でのパワー感、二人乗り（タンデム）の快適性など、購入前に確認しておきたい点は山積みだと思います。
特に、同じヤマハの兄弟車であるアクシスZや、スズキの強力なライバルアドレス125との比較で、「どっちがいいんだろう？」と悩んでしまうと、なかなか結論が出ないかもしれません。
この記事では、そうしたジョグ125の購入後に「後悔」へとつながりかねない懸念点を一つずつ徹底的にチェックし、オーナーの生の声や客観的なデータも交えながら、あなたがジョグ125を選ぶべきか、それとも他のバイクを選ぶべきか、ご自身で判断できる決定的な材料をまとめていきますね。
- ジョグ125の具体的な「後悔」ポイントとその理由
- 強力なライバル車（アクシスZ・アドレス125）との徹底比較
- ジョグ125が持つ、他にはない独自のメリットと価値
- 後悔しない人・する人の決定的な特徴
ジョグ125で後悔？よくある不満点
ジョグ125は、その圧倒的な軽さと足つきの良さで、多くのライダー、特に小柄な方やバイク初心者にとって救世主のような存在です。
でも、その「軽さ」や「コンパクトさ」、そして「戦略的な価格設定」と引き換えに、いくつかの要素が「トレードオフ」として割り切られているのも事実なんですね。ここでは、購入後に「こんなはずじゃなかった…」と「後悔」につながりやすい、具体的な不満点を深掘りしていきますね。
ブレーキがドラム式って大丈夫？
ジョグ125を選ぶ上で、一番ひっかかるのがこのブレーキシステムかもしれませんね。私も「今どき125ccで前後ドラムブレーキ？」って最初は正直思いました。
ライバルのアドレス125やアヴェニス125、ホンダのDio110といった主要な競合モデルは、ほぼ全てフロントに制動力で勝る油圧式のディスクブレーキを採用しています。やはり、雨天時の安定した制動力や、レバーを握った時のカチッとしたブレーキフィーリングはディスクブレーキに軍配が上がることが多いかなと思います。
ただ、ジョグ125もただのドラムブレーキを積んでいるわけではありません。UBS（ユニファイドブレーキシステム）という、ヤマハ独自の連動ブレーキシステムを搭載しているんです。
UBS（ユニファイドブレーキシステム）とは？
これは、左ブレーキレバー（通常はリアブレーキ）を操作するだけで、リアブレーキとフロントブレーキにバランスよく制動力を配分してくれる仕組みです。（出典：ヤマハ発動機株式会社『UBS – バイク・スクーター – ヤマハ発動機』）
バイク初心者の場合、急ブレーキ時にフロントブレーキをロックさせてしまいがちですが、UBSがあればリアブレーキをかけるだけで前後がバランス良く効くため、車体の挙動が安定しやすく、ロックのリスクを減らしてくれるという大きなメリットがあります。
実際のオーナーレビューでも、「街乗りで普通に走る分には、制動力に不安はない」「カックンブレーキにならず、じわっと効くので逆にコントローラブルで良い」といった声も少なくありません。
ただし、問題はジョグ125が搭載する “BLUE CORE” エンジンが、その車重の軽さもあって「俊足」と評されるほどキビキビ走ってしまう点にあります。そのスポーティな走りに対して、ブレーキの「フィーリング」が追いついていない、と感じる人は確かにいます。
ブレーキで後悔する可能性
ディスクブレーキの「ガツン！」と効く感覚や、指一本で微妙なコントロールをするようなスポーティな走りを期待している人にとっては、ドラムブレーキの「グニャッ」とした感触（と言われることもあります）や、絶対的な制動力のピーク値に物足りなさを感じ、「後悔」につながる可能性は高いですね。
とし逆に、「メンテナンスフリー（パッド交換やフルード交換が不要）な方がいい」「ブレーキは穏やかに効いてくれた方が安心」という人には、UBS付きドラムブレーキは合理的な選択とも言えます。
メットインの容量、ヘルメット入る？
これも原付二種スクーター選びでは絶対に外せない、非常に大きな「後悔」ポイントになりがちですね。ジョグ125のシート下ラゲッジスペース（メットイン）の容量は21.3Lです。
この数値だけ聞いてもピンと来ないかもしれませんが、結論から言うと「形状やサイズによっては、フルフェイスヘルメットは入らない」可能性が非常に高いです。
なぜ容量がこれだけに限られるのか？ それは、ジョグ125の最大のウリである「735mm」という圧倒的な低シート高を実現するための、設計上の完全なトレードオフ（犠牲）なんですね。シートを低くするためには、その下にあるスペース（エンジンやフレームの上）を削るしかないわけです。
メットインの注意点：ヘルメット難民になるな！
オーナーの声で最も多いのが「持ってるフルフェイスが入らなかった」というものです。特に、SHOEIやARAIなどの高性能フルフェイスで、後頭部にディフューザー（空力パーツ）が出っ張っているデザインのものは、ほぼ入らないと考えた方が安全です。
ジェットヘルメットなら大抵は入るようですが、それでもサイズ（特にXLなど）やインカムを装着していると厳しくなるケースもあります。
購入前に、必ずご自身のヘルメットを持参して、実車で「入るかどうか」を試させてもらうことを強く推奨します。これを怠ると、納車当日に「後悔」が確定してしまいますよ。
「ヘルメットを入れたら、カッパとグローブが入らない」「通勤カバンが入らない」といった不満も当然出てきます。日常の使い勝手に直結する部分だけに、ここのミスマッチは深刻です。
ただし、一つ知っておいてほしいのは、ジョグ125の積載性が「競合より劣っている」わけではない、という点です。
| 車種 | シート下容量 |
|---|---|
| ヤマハ ジョグ125 | 21.3 L |
| スズキ アドレス125 | 21.8 L |
| スズキ アヴェニス125 | 21.5 L |
このように、ライバルのアドレス125やアヴェニス125と比べても、容量はほぼ誤差の範囲です。つまり、ジョグ125の積載性に不満を持つ人は、アドレス125に乗り換えても、その「後悔」は解決しない可能性が高いです。
もし、あなたが「ヘルメット＋カバン＋カッパ」のような、スクーターに期待される圧倒的な積載性を最重要視するのであれば、後悔する前に、同じヤマハのアクシスZ (37.5L) を検討すべきです。これはヤマハ内での明確な役割分担であり、選択ミスなんです。
乗り心地が悪い？10インチの影響
「乗り心地が固い」「路面の段差でガツンと衝撃がくる」という評価も、確かにオーナーレビューなどで見られますね。
この「乗り心地」に大きく影響しているのが、ジョグ125が採用している前後10インチの小径タイヤです。
10インチタイヤのメリットとデメリット
10インチタイヤには、明確なメリットとデメリットがあります。
- メリット: タイヤが小さく軽いため、ハンドリングが非常に軽快になります。ヒラヒラと車体を倒しやすく、狭い路地でのUターンや、すり抜け（推奨はしませんが）など、機敏な小回り性能は抜群です。これはジョグ125の「軽さ」と相まって、大きな魅力となっています。
- デメリット: タイヤ径が小さいと、路面の小さな段差やマンホールの凹凸などを乗り越える際の衝撃が大きくなりがちです。また、タイヤの接地面積やジャイロ効果（回転による安定性）の面で、12インチや14インチのタイヤと比べると直進安定性で不利になる傾向があります。
ジョグ125は、この10インチタイヤに加えて、ホイールベース（前輪と後輪の間の距離）も1,205mmと非常に短く設計されています。これも小回り性能に貢献する一方で、直進時のドッシリとした安定感は薄れがちです。
加えて、コストを優先した標準サスペンションの性能も、路面からの衝撃を吸収しきれず、「乗り心地が固い」という評価の一因になっているかなと思います。
二次的な後悔ポイント：カスタムパーツの少なさ
乗り心地が悪いなら「社外の高性能サスペンションに交換しよう！」と考えるのはバイク乗りの常ですよね。ですが、一部のオーナーからは「ジョグ125用の社外リアサスを探したけど、選択肢がほとんどない！」という声も上がっています。
つまり、「乗り心地が悪い」という一次的な不満を、「カスタムで解消しよう」と思った時にパーツがなく、「不満を抱えたまま乗り続けるしかない」という二重の「後悔」に陥る可能性があるわけです。これは地味にキツイですよね。
とし通勤・通学路が結構荒れているとか、毎日それなりの距離（例えば片道15km以上）を走る人にとっては、この「乗り心地」と「安定性」が、日々のストレスとして蓄積し、「後悔」ポイントになるかもしれません。
タンク容量は？航続距離はどのくらい
ジョグ125の燃料タンク容量は4.0Lです。これは、はっきり言って125ccスクーターの中ではかなり小さい部類に入りますね。
例えば、ライバル車と比較してみるとその差は歴然です。
| 車種 | タンク容量 |
|---|---|
| ヤマハ ジョグ125 | 4.0 L |
| スズキ アドレス125 | 5.3 L |
| スズキ アヴェニス125 | 5.2 L |
| ホンダ Dio110 | 4.9 L |
アドレス125と比べると1.3Lも少ないです。この差は大きいですよね。
ただ、ジョグ125の名誉のために言っておくと、ヤマハ自慢の “BLUE CORE” エンジンのおかげで燃費性能はすごく優秀で、WMTCモード値で 51.9km/L というカタログスペックを誇ります。これはスズキ勢（アドレス53.4km/L, アヴェニス51.6km/L）とほぼ互角のトップクラスの燃費です。
では、実際の航続距離はどうでしょう？
仮に、街乗りメインの実燃費をリッター40km/Lと少し厳しめに見積もったとしても、4.0L × 40km/L = 160km は走れる計算になります。リッター45km/L走れば180kmですね。
「航続距離」より「給油回数」が問題
160km〜180km走れれば、日常の足としては十分じゃないか、と思うかもしれません。しかし、問題は「航続距離」そのものよりも、「給油回数の多さ」です。
例えば、片道15kmの通勤で往復30km走る人なら、160km ÷ 30km = 約5.3日。つまり、ほぼ毎週、平日のどこかで1回は給油が必要になります。
これがアドレス125（タンク5.3L）なら、5.3L × 40km/L = 212km。 212km ÷ 30km = 約7日。これなら週末の休みの日に1回給油すればOK、という運用が可能です。
とし「仕事帰りの疲れた時にガソリンスタンドに寄るのが面倒…」と感じる人にとって、この「給油回数の多さ」は、じわじわと効いてくるストレスとなり、「後悔」につながる可能性があります。
ヘッドライトが暗いってホント？
これは、レビューなどで「ヘッドライトが暗い」という声が確かにありますね。
ジョグ125のヘッドライトは、コストダウンの影響もあってか、イマドキの明るいLEDではなく、昔ながらのハロゲンバルブ（HS1規格）を採用しています。
最近のバイクは、原付二種クラスでもLEDヘッドライトが主流になってきています。例えば、ライバルのアドレス125やアヴェニス125も、標準で省電力かつ長寿命なLEDヘッドライトを採用しています。
LEDの白くてシャープな明るさに慣れていると、ジョグ125のハロゲンバルブの「ぼんやりとした黄色っぽい光」は、どうしても「暗い」「見えにくい」と感じてしまう可能性は高いですね。
暗さが「後悔」に変わるシチュエーション
街灯が煌々とついている都心の市街地を走るだけなら、それほど問題にならないかもしれません。しかし、以下のようなシチュエーションがメインになる人は要注意です。
- 街灯のない郊外の道や田舎道を夜間に走る
- 雨の日の夜間走行（ハロゲンの光は雨の路面に吸収されやすいです）
- 視力にあまり自信がない
こうした環境では、ヘッドライトの暗さが直接「危険」につながるため、深刻な「後悔」ポイントになる可能性があります。
「じゃあ明るい社外LEDバルブに交換すればいい」と思うかもしれませんが、HS1規格のLEDバルブは選択肢があまり多くなかったり、交換してもライトリフレクターとの相性でうまく光が飛ばなかったり（光軸が出ない）、コストや手間がかかるという別の問題も出てくるかもしれませんね。
二人乗り（タンデム）は快適？
ジョグ125は原付二種なので、もちろん法律上は二人乗り（タンデム）が可能です。タンデムステップもちゃんと装備されています。
ですが、結論から言うと、ジョグ125での二人乗りは「法規上は可能だけど、快適性や安全性は期待してはいけない」と考えた方が賢明です。
レビューなどでも「シートが短い」「タイヤが細い（10インチ）」「車体が軽い」といった理由から、タンデムには適さないという指摘が多く見られます。
理由は明確です。
- 車体の軽さ: 95kgという軽量な車体に大人が二人乗ると、ライダーの操作に対するバイクの挙動が非常に不安定になりがちです。
- パワー: エンジンは一人乗りなら俊足ですが、二人分の体重（仮に合計120kg）を運ぶとなると、坂道などでは明らかにパワー不足を感じるでしょう。
- シート形状: 735mmの低シート高を実現するため、シート自体が短く、厚みも薄めです。後ろに乗る人（パッセンジャー）の座るスペースは非常に窮屈で、すぐにお尻が痛くなる可能性があります。
- サスペンション: 一人乗り前提の簡素なサスペンションでは、二人分の荷重を受け止めきれず、ちょっとした段差で底付き（サスが縮み切ってしまうこと）するかもしれません。
ジョグ125での二人乗りは、あくまで「緊急用」、あるいは「最寄りの駅までほんの数分だけ送る」といった、ごく短距離・短時間のものと割り切るべきですね。
「日常的に二人乗りで買い物に行きたい」あるいは「タンデムでちょっとしたツーリングを楽しみたい」と考えている場合、間違いなく後悔します。その場合は、PCXやNMAX、あるいはシグナス グリファスといった、もっと車格に余裕があり、タンデム走行を前提に設計されたモデルを選ぶべきです。
ジョグ125の後悔を避ける比較チェック
ここまでジョグ125の「ちょっと気になる点」をネガティブな側面から詳しく見てきました。「うわ、やっぱりダメかも…」と思ったかもしれません。
でも、待ってください。これらの「後悔」ポイントは、ジョグ125が「ダメなバイク」だから存在するのではなく、「明確な目的のために、何かを捨てた結果」なんです。
その証拠に、「じゃあ他のバイクならどうなの？」と比較してみることで、ジョグ125の立ち位置と、あなたが本当に後悔するのかどうかがハッキリと見えてきます。ここでは、最大のライバルたちと徹底的に比較して、あなたの「後悔」を「納得の選択」に変えるためのチェックを行います。
アクシスZとの比較。選ぶならどっち？
まず比較すべきは、同じヤマハの兄弟車「アクシスZ」です。どちらも同じ信頼性の高い “BLUE CORE” エンジンを積んでおり、価格帯も近いため、ここは最大の悩みどころかもしれませんね。
ですが、この2台の棲み分けは、ヤマハの中でこれ以上ないほど明確に分かれています。
「積載性」のアクシスZ vs 「足つき・軽さ」のジョグ125
この一言に尽きます。スペックを比較すれば一目瞭然です。
| 項目 | ヤマハ ジョグ125 | ヤマハ アクシスZ |
|---|---|---|
| 重視する点 | 足つき・軽さ | 積載性・実用性 |
| シート高 | 735 mm (圧倒的に低い) | 770 mm (標準的) |
| 車両重量 | 95 kg (クラス最軽量) | 100 kg (これも十分軽い) |
| メットイン容量 | 21.3 L (フルフェイスは厳しい) | 37.5 L (圧倒的に大容量) |
※数値はヤマハ公式サイトなどを参照しています。
見ての通り、積載性を最重要視するなら、問答無用でアクシスZです。37.5Lという容量は、このクラスでは反則級の広さで、ヘルメット＋カッパ＋αが余裕で入ります。日常の買い物や通勤・通学で荷物が多い人にとっては、これ以上ない相棒になるでしょう。
逆に、「アクシスZにまたがってみたけど、シート高770mmだと足つきが不安…」「駐輪場での出し入れを考えると、1kgでも軽い方がいい！」という人は、ジョグ125を選ぶべきです。95kgという車重と735mmのシート高がもたらす安心感は、アクシスZでは絶対に得られません。
選択ミスが最大の「後悔」を生む
ここで選択を間違えると、最悪の「後悔」が待っています。
- 積載性重視の人がジョグ125を買うと… → 「足つきは良いけど、荷物が全然入らない！」と後悔。
- 足つき重視の人がアクシスZを買うと… → 「荷物は入るけど、信号待ちのたびに足つきが不安で怖い！」と後悔。
としこの2台は優劣ではなく、「用途」で選ぶバイクです。ご自身の最優先事項がどちらなのかを明確にすることが、後悔しないための第一歩ですね。
アドレス125と比較。どっちがいい？
次に比較すべきは、スズキの超定番モデル「アドレス125」です。こちらはジョグ125の真正面のライバルと言える存在ですね。
この比較は非常に興味深いです。なぜなら、アドレス125は、ジョグ125の「後悔」ポイントの多くを解消しているからです。しかし、それと引き換えに、ジョグ125の「最大の美点」を失っています。
まさに「あちらを立てればこちらが立たず」という、完璧なトレードオフの関係が見て取れます。
| 項目 | ヤマハ ジョグ125 | スズキ アドレス125 |
|---|---|---|
| 強み | 圧倒的な軽さ・足つき | 充実装備・安定性 |
| 車両重量 | 95 kg | 108 kg (+13kg) |
| シート高 | 735 mm | 770 mm (+35mm) |
| ブレーキ(前) | ドラム (UBS) | ディスク |
| タイヤ(前) | 10インチ | 12インチ |
| ヘッドライト | ハロゲン | LED |
| タンク容量 | 4.0 L | 5.3 L (+1.3L) |
| メットイン容量 | 21.3 L | 21.8 L (ほぼ同じ) |
※数値は各社公式サイトなどを参照しています。
この表、すごくないですか？
ジョグ125の「後悔」ポイントだった、ブレーキ（ドラム）、乗り心地（10インチ）、ヘッドライト（ハロゲン）、タンク容量（4.0L）。これらすべて、アドレス125はディスク、12インチ、LED、5.3Lと、見事にクリアしてきています。メットイン容量はほぼ同じなので、積載性の不満は解決しませんが、それ以外の装備面ではアドレス125の圧勝と言ってもいいかもしれません。
しかし、その代償は明確です。
アドレス125の車重は108kg、シート高は770mm。ジョグ125と比べて、13kgも重く、シート高は3.5cmも高くなります。
13kgの差は、バイクの取り回しにおいて「圧倒的」な差です。駐輪場での出し入れや、万が一バランスを崩した時の支えやすさは、95kgのジョグ125が比較にならないほど楽です。また、シート高3.5cmの差も、足つきの安心感に決定的な違いをもたらします。
ジレンマの選択
つまり、こういうことです。
- 「ブレーキや乗り心地で後悔したくない！」 → アドレス125を選ぶべき。しかし、取り回しの「重さ」と足つきの「不安」で後悔する可能性。
- 「取り回しの重さや足つきで後悔したくない！」 → ジョグ125を選ぶべき。しかし、ブレーキや乗り心地の「物足りなさ」で後悔する可能性。
としパワーや積載性はほぼ互角なので、これはもう「軽さと足つきの安心感（ジョグ）」を取るか、「装備の充実と走行安定性（アドレス）」を取るかの、完全な二者択一ですね。
パワー不足？坂道や最高速は？
「95kgって軽すぎるけど、その分フレームが華奢で、パワーも無いんじゃない？」「坂道で失速して後悔しない？」という心配は、ジョグ125に関してはあまり必要なさそうです。
ジョグ125の最高出力は 8.3PS/7,000rpm。これはライバルのアドレス125 (8.4PS/6,500rpm) とほぼ同じです。馬力だけ見ると平凡に見えますが、ここで効いてくるのが「軽さ」です。
バイクの加速性能は、単純な馬力よりも「パワーウェイトレシオ（車重1kgあたり何馬力か）」が重要だったりします（専門的になるので詳しくは割愛しますが）。
要は、「軽いバイクに、十分なパワーのエンジンを積んでいる」のがジョグ125なんです。
「軽さは七難隠す」走行性能
- 出足（0-60km/hの加速）:
車重が圧倒的に軽いため、信号ダッシュなどの街中での加速は、クラストップレベルの俊足さを見せます。レビューでも「キビキビ走る」「俊足」と高評価ですね。 - 坂道:
搭載されている “BLUE CORE” エンジンは、高回転で馬力を稼ぐタイプではなく、低い回転数（5,000rpm）で最大トルク（1.00kgf・m）を発生させる低中速トルク型です。これは、日本のストップ＆ゴーや坂道の多い地形に非常にマッチしており、「坂道でもグイグイ登る」という評価につながっています。 - 最高速:
最高速に関しては、あまり期待しすぎない方がいいかもしれません。車体の軽さや10インチタイヤの影響もあり、高速域での安定性は高くありません。恐らく80km/h〜90km/hあたりが実用的な上限かなと思います。バイパスなどで流れをリードするのは難しいかもしれませんが、車の流れに乗って走る分には全く問題ないパワーです。
50ccからの乗り換えであれば、そのパワーに感動することはあっても、「パワー不足で後悔」することはまず無いと思いますよ。
価格は割高？コスパをチェック
「ジョグ125、安いと思ったけど、装備をよく見たらむしろ割高なんじゃない…？」と感じる人もいるようです。これは、H3「アドレス125と比較」で見た通り、非常に鋭い指摘です。
ジョグ125の新車価格は、約26.4万円（税込、2025年11月時点）です。
一方で、ライバルたちはどうでしょう。
- スズキ アドレス125: 約28万円。ジョグより約1.6万円高いが、Fディスクブレーキ、12インチタイヤ、LEDヘッドライト、大容量タンクを装備。
- ホンダ Dio110: 約25万円（ベーシック）。ジョグより約1.4万円安いが、Fディスクブレーキ、14インチ大径タイヤを装備。（ただし積載18L、エンジン109cc）
こうして見ると、ドラムブレーキ、10インチタイヤ、ハロゲンライトのジョグ125が、「装備の割に高い」＝「コスパが悪い」と感じるのも無理はありません。
「あと1.6万円足して、全部入りのアドレス125を買った方が良かった…」とか「もっと安いのにFディスクと14インチのDio110にしておけば良かった…」という、「安物買いの銭失い」的な後悔をしてしまう可能性は、確かに存在します。
「価格」の考え方：あなたはどっちのコスパを重視する？
これは、「何を重視するか」でコスパの評価が180度変わる典型的な例ですね。
A. 装備のコスパを重視する人
「同じ金額を出すなら、ディスクブレーキやLEDライトが付いている方がお得だ」と考えるタイプ。この人にとって、ジョグ125は「割高」に感じられます。
B. 体験のコスパを重視する人
「お金では買えない『軽さ』や『足つきの安心感』にこそ価値がある」と考えるタイプ。この人にとって、95kgの車体と735mmのシート高というスペックは、他のどのバイクも提供できない独自の価値です。この「体験」に対して26.4万円を払うため、ジョグ125は「割安」あるいは「適正価格」と感じられます。
としあなたが「軽さ」と「足つき」という「体験」に、ブレーキやライトという「装備」以上の価値を見出すかどうか。そこがコスパ判断の最大の分かれ目ですね。
まとめ：ジョグ125で後悔しない選択
さあ、長くなりましたが「ジョグ125で後悔」しないための、最後のまとめです。
ここまで見てきた通り、ジョグ125は「誰にでもおすすめの万能バイク」では決してありません。むしろ、「軽さと足つき」という一点に性能を全振りし、そのために積載性やブレーキ、乗り心地といった他の要素を意図的に「トレードオフ」として割り切った、ものすごく尖ったバイクです。
この「トレードオフ」の構造を理解せず、アクシスZのような積載性を求めたり、アドレス125のような装備の充実度を期待して買うと、100%後悔します。
あなたが後悔しないために、ご自身がどちらのタイプに当てはまるか、最後にチェックしてみてください。
こんな人はジョグ125で「後悔する」可能性が高い
- 「積載性」を最重要視する人（ヘルメット＋カバン＋カッパを常に入れたい、買い物の足としてメインで使いたい人）
→ 買うべきはアクシスZです。 - 「スポーティな走り」を期待する人（ガツンと効くブレーキ、安定したコーナーリング、スポーティな乗り味を求める人）
→ 買うべきはアドレス125やアヴェニス125です。 - 「乗り心地と安定性」を求める人（通勤・通学路が荒れている、毎日それなりの長距離を走る人）
→ 買うべきは14インチのDio110や12インチのアドレス125です。 - 「二人乗り（タンデム）」を頻繁にする人
→ 買うべきはPCXやNMAXなど、上のクラスのバイクです。
こんな人はジョグ125で「満足できる」（後悔しない）
- 「足つきと軽さ」を最重要視する人（身長や体力に自信がない、小柄な方、バイクの取り回しに恐怖心がある人）
- 「50ccからのステップアップ」を考える人（50cc並みの手軽な取り回しのまま、125ccのパワーと利便性（二段階右折不要など）が欲しい人）
- 「メンテナンスとコスト」を最小限にしたい人（日常の足として、安価に、シンプルに、高燃費で「使い倒す」ことを前提とする人。ドラムブレーキのメンテフリー性も魅力）
ジョグ125が唯一無二の選択となる人
特に「身長150cm台でも不安なく両足が着くバイクが欲しい」「駐輪場での出し入れが本当に苦痛」という人にとって、この95kg/735mmというスペックは、他のすべて（積載、ブレーキ、乗り心地）の欠点を許せてしまうほどの、絶対的な価値があります。
そうした人にとっては、「ジョグ125を選ばなかったこと」こそが、最大の「後悔」になるかもしれません。
ご自身の使い方、優先順位、そして何よりも「何を一番不安に感じているか」をしっかり見極めて、あなたにとってベストな選択をしてくださいね。
この記事が、あなたの「ジョグ125 後悔」という不安を、「納得の選択」に変えるお手伝いになれば幸いです。
最終的なスペックや価格、安全に関する注意事項は、お近くのヤマハ販売店や、ヤマハ発動機の公式サイトなどで最新情報を必ずご確認の上、ご判断ください。
よくある質問（FAQ）
最後に、この記事を読んで「でも、ここはどうなの？」と疑問に思いそうな点を、Q&A形式でまとめておきますね。